日々変化を遂げる「目白の杜」を記録者として見守り続ける~生物部インタビュー~

日々変化を遂げる「目白の杜」を記録者として見守り続ける~生物部インタビュー~

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「目白の杜」と呼ばれるキャンパスは、学習院大学の特徴の1つ。都心からすぐのところにこんな緑豊かなキャンパスがあることに驚かれる方も多いのではないでしょうか。
このキャンパスにはたくさんの種類の動植物が生息しています。その全容については、未だベールにつつまれ、日々変化を遂げています。
キャンパス内の動植物や生態系について、記録者として見守り続ける生物部。
2019年度委員長の大谷理貴(おおたにまさき)さんにお話を伺いました。

経済学部経済学科3年 大谷理貴さん 東京都立富士森高等学校出身

36人の生物好きたちが集まり、思い思いの調査を実施

――まず、生物部の紹介をお願いします。

私たち生物部には、36人の生物好きが集まっています。生物についての調査と、部で飼育している生物の面倒をみることが主な活動です。
実は「生物」というのはとても広い意味を持つ言葉です。犬や猫などの哺乳類から、昆虫、魚、爬虫類、植物、きのこなどの菌類と、色々なものを含んでいます。部としての調査対象は定めておらず、部員それぞれが自分の好きな生物について調査をしています。活動日数や活動時間なども定めていません。曜日に関係なく部室は毎日開いていますので、まず部室に行けば誰かがいて、情報交換をしながら調査や飼育をすることが普段の活動になっています。

――部員みんなが顔を合わせる機会はありますか?

定期の会合が2つあります。1つは週に一度の部会。これは連絡事項を通達するもので、昼休みなどを使って短時間で集まります。もう1つは月に一度の例会です。これは休日を使って、博物館や動物園、公園などへフィールドワークに行くものです。最近訪れたのは東京国立科学博物館や石神井公園など。キャンパスから近い場所が中心ですが、時には足を伸ばして茨城自然史博物館など近県へ調査に行くこともあります。

「目白の杜」と呼ばれるキャンパス内でフィールドワーク

――大谷さんが生物部に入部した理由を教えてください。

私は幼少期から生物が大好きでした。中学・高校時代には自然に関する記事を書く記者の方と知り合いになり、そのお手伝いという形で日本中の生物を探し回り、イベントで生物に関する調査を発表するなどの活動に打ち込んできました。その経験がとても楽しく、大学でも引き続き頑張りたいという思いから入部を決めました。生物部では自分の思うように活動が出来ていますし、同じ生物好きという共通点をもつ仲間とたくさん出会えたことにとても満足しています。

――大谷さんは今どんな生物を調査していますか?

私は特に昆虫が好きで調査をしています。学習院大学は都心にありながら、「目白の杜」とも呼ばれるほど緑豊かなキャンパスをもっています。学内の色々なところに昆虫がいますので、採取、標本作りなどをしています。昆虫以外ですと、最近は植物に注目しています。学習院大学のキャンパス内に、珍しい種類のものも含めて、実に多様な植物が生息していることが分かってきました。これからは植物の調査にも力を入れていきたいです。

59年ぶりの大発見

――学内でフィールドワークが可能というのは、とても恵まれた環境ですね。部活のやりがいについて教えてください。

恵まれた環境というのはおっしゃる通りですね。また、環境というのは時代によって変わっていきます。部員それぞれが自身のやりがいを持っていると思いますが、私にとってのやりがいは、この2019年の学習院大学の環境を記録することです。その手段として、キャンパスで採取できた生物の標本作成や写真撮影を行っているのです。
一昨年のことですが、「オナガアゲハ」という珍しい蝶をキャンパス内で採取しました。これは豊島区では59年ぶりの発見ということで、専門誌などにも掲載していただきました。この発見には本当に驚きましたし、嬉しかったです。

――日々の活動の成果を社会に発表する機会は、他にどのようなものがありますか?

大学祭では企画展を行います。部で飼育している生物や、標本などを展示しました。部員それぞれが色々な生物に興味をもっていますから、各自が自分の調査内容を発表することでとても多彩な展示になります。変わったところでは、視覚に訴えるような展示をしたいと考え目白キャンパスのジオラマを作って生物の生息地などを明示しました。これらの展示は大人から子供までとても多くの来場者の方に楽しんでいただけました。テレビにも出演される研究者の方に面白い展示だと褒めていただいたことが印象に残っています。

――生物部の今後の目標を教えてください。

昨年、部誌の第1号を作り、今年は第2号を発行することができました。それに関連してですが、先日昭和時代の部誌が発見されまして、当時のキャンパスの生物がとても詳細に記されていました。これを活用し、当時と今の環境との違いを調べ、その変遷を調査したいという思いがあります。また、同じように今私たちが作っている部誌が将来の後輩たちに活用されたら嬉しいなという期待もあります。

――最後に、高校生、受験生へのメッセージをお願いします。

私自身、生物部の部室には他にはない居心地の良さを感じています。みなさんもこれから大学生になったとき、ぜひ自分にとって居心地の良い場所を探してみてください。
生物の知識は全く問いません。生物が好きな方、興味がある方であればどなたでもお待ちしております。

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