「日本語」を国際的な視野から捉え直す 拓殖大学外国語学部に国際日本語学科が誕生

「日本語」を国際的な視野から捉え直す 拓殖大学外国語学部に国際日本語学科が誕生

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卓越したグローバル教育を展開する拓殖大学。創立120周年を迎える2020年、外国語学部に国際日本語学科が誕生する。その背景にあるのは、世界から日本文化や日本語へ向けられる関心の高まりだ。学科の設置経緯と展開について、国際日本語学科長に就任予定の近藤真宣教授に話を聞いた。

120年間の伝統をもつグローバル教育

―拓殖大学のグローバル教育の伝統について教えてください。

本学は1900年に台湾協会学校として誕生しました。最初はアジアの植民地で働く人材を育てるための学校として始まり、戦後にはアジア、中南米など世界各地への移民を数多く輩出してきました。1977年には外国語学部を、2000年には国際開発学部(現・国際学部)を設置し、現在に至るまで120年の歴史の中で一貫してグローバルに活躍する人材を育て続けています。

―外国語学部ではどのような教育を行っていますか。

世界を舞台に活躍するには、当然、現地の言語をある程度使いこなせなければなりません。世界で最も使われている英語、中国語、スペイン語の3学科制で、圧倒的な授業数で毎日語学を学び、実践的な「使える外国語」を身につけることが特徴です。このたび、ここに新しく国際日本語学科が開設されて4学科制となります。

日本への関心度が上昇し日本語学習者が急増

―国際日本語学科に至るまでの経緯を教えてください。

本学は日本語教育の歴史も古く、1961年にインドネシアからの留学生受け入れのために作られた日本語研修所まで遡ります。それから現在に至るまで外国人留学生を積極的に受け入れ、日本語教育に力を入れるとともに、日本語教師の育成にも努めてきました。

近年、海外から日本に向けられる関心は伝統文化、産業・科学技術分野からポップカルチャー、和食に至るまで大きく広がっています。また、日本への関心は日本語学習にも結び付き、海外での日本語学習者は03年の約235万人から15年には約365万人にまで増えました。国内の日本語学習者も、11年の13万人弱から17年には約24万人と、わずか6年で倍増しています。一方、日本語教師数は同期間で1.3倍増にとどまり、不足しています。以上のことを背景に、日本語と日本文化の教育に経験と実績のある本学ならば日本語教師不足という社会の課題に応えられると考え、新学科開設に至りました。

―近年、他大学でも「国際」系の学部・学科の新設が相次いでいます。国際日本語学科の特徴はどのようなところにありますか?

学科名の通り、「国際」的な視野で「日本語」を捉え直す教育内容が特徴です。本学伝統の日本語教育については、とても充実した科目展開になっています。もちろん言語だけを学ぶのではなく、「言語を通して文化や価値観が見える」という考えのもと、日本文化や日本人の考え方についても学びます。また、現在国家資格化が検討されている日本語教師の養成にも力を入れています。関係する科目を多く用意し、認定や受験に余裕を持もって対応できるカリキュラムになっています。

学生の半数が留学生の環境 国際的視野を学ぶ

―語学教育はどのように行われますか。

外国語学部の特性でもありますが、少人数教育を重視しています。1学年50人に対し6つのゼミを用意しており、学生1人ひとりに手厚い学習支援を行います。ゼミ以外にも能動型学習を前提とする科目を多く用意しています。

さらに、学生の半数程度を外国人留学生とする予定ですので、本学科の教室は毎日が異文化共生環境になります。日本人学生と外国人留学生がペアを組むような能動型学習の環境も意図的に用意しますので、異文化コミュニケーションの機会が頻繁に発生します。学びのテーマである「日本語」について、外国人の視点を借り、国際的な視野で捉え直すことがねらいです。

―国際日本語学科で育成をめざすのは、どのような人材ですか?

世界のグローバル化が言われていますが、日本国内でも在留外国人数が増え続け、多文化社会化が進んでいます。今後心配になるのは、日本人居住者と在留外国人との間で、異文化間摩擦の問題が生じることです。地域社会では生活者として外国人を支援しながら多文化共生を推進できる、いわば異文化間コーディネーターのような人材育成が急務となっています。日本人学生と外国人留学生がともに学び、日常の中に異文化交流がある本学科の学習環境はそのような人材の育成に適していると思います。

また、価値観の多様化に伴い、異文化間だけでなく、日本人同士でもコミュニケーションが十分にとれていない状況も生じています。日本語をきちんと学ぶことでコミュニケーション能力を、さらには周囲の人間の考えを上手く引き出してまとめられるような、ファシリテーション能力を身につけた人材の育成もめざしています。

―卒業後はどのような進路が想定されますか。

日本語教師に関しては、国内の日本語学校はもちろんですが、できれば世界に出て日本語を教えるような経験をしてもらいたいと考えており、JICAの青年海外協力隊など公的機関の海外派遣への応募資格を満たすようなカリキュラムもあります。本学には言語教育研究科(日本語教育専攻)もありますので、必要であれば修士、博士の学位取得も可能です。

また、本学科で身につけられる能力は、多様な価値観をもつ人々と協働しながら、課題を見つけ、解決していくというもの。これはまさに企業が求める人材にマッチするものです。就職支援も全学をあげて行いますので、しっかり学んだ学生であれば一般企業への就職も問題ないと考えます。

―最後に、高等学校の進路指導の先生に向けてメッセージをお願いします。

「日本人学生がなぜわざわざ大学で日本語を学ぶのか?」と疑問に持たれた先生も多いと思います。
言語とは文化の要です。言語を学ぶことで様々な文化、価値観、考え方が見えてきます。日本語を通じて日本について知ることができるのがこの国際日本語学科なのです。日本語をきちんと学び、日本語で充分にコミュニケーションでき、他の人の考えを引き出せるような、どこの社会に行っても必要とされるような人材を育てていきます。

近藤真宣教授

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