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経済学部でスタートさせた「ロンドン大学と武蔵大学とのパラレル・ディグリー・プログラム(PDP)」に続き、来春は人文学部、社会学部で新コースが始動。一般入試では「全学部統一グローバル型」を導入するなど、グローバル市民育成に向けて教学環境のダイナミックな整備に取り組む武蔵大学。その狙いと今後の展望を山㟢哲哉学長に伺いました。
【ロンドン大学の学位が取得できる日本初のPDPを展開】
PDPは、語学の成績などによる選考があり、定員は約30名。入学後に授業や海外英語研
修で英語力を徹底的に鍛え、IELTSでスコア5・5以上を取得した上で、9月からロンドン大学のIFP(基礎教育プログラム)を履修します。IFPの期末試験に合格すると、2年次の9月からIP(国際プログラム)の履修が可能となり、3年間でIPの12科目を学
んで毎年の試験に合格すれば、武蔵大学の単位として認定され、ロンドン大学の経済経営学士号を取得することができます。
―2015年に、国内では初となるロンドン大学とのパラレル・ディグリー・プログラムを
導入されました。
グローバル化の高まる機運の中で、世界に雄飛するためには、世界標準の経済学をしっかりと
教える必要があると考えました。近年、ダブルディグリーやジョイントディグリーといったプログラムを導入する大学は増えていますが、留学などによる国外での学修時間が必要となるという課題があります。
本学が導入しているPDPは、国内にいながら世界標準の教育をすべて英語で学ぶことができます。ロンドン大学のIPは現在、180カ国以上、5万4000人が学ぶ世界共通のプログラムです。国内で受講できるので、コストも海外留学に比べて遙かに安い。「ゼミの武蔵」で知られるように、小規模で丁寧な教育を旨とする本学に適した教育システムであると判断しました。
―ロンドン大学はノーベル賞受賞者を多数輩出し、欧米のトップエリートが学ぶ名門校です
が、高度な英語力が求められます。
PDPでは、まずIFPの受講資格としてIELTSのスコア5・5以上が定められていま
す。そのため、入学直後の4〜5月に集中的な英語の授業を行い、6月からフィリピンのセブ島で8週間にわたる海外英語研修を受講します。1期生については、ここで英語漬けの日々を
過ごすことにより、入学時にはIELTS3・5程度だった学生のほとんどが、5・5のレベ
ルをクリアできました。
―1年次の9月から始まるIFPについてお教えください。
授業を行うのは本学の教員ですが、全員が海外の大学で学位を取得しており、ロンドン・ス
クール・オブ・エコノミクス(LSE)による厳しい審査もクリアしています。
「政治学」「経済学」「国際関係論」「数学・統計学」の4科目を週に2コマ、計8コマ学びますが、教材はもちろんLSEのものを使用しています。
―将来、グローバル市民として活躍するときに、世界標準の視点で学んだことは大きな強み
になりますね。
一般的に日本の大学で経済学を専攻する場合、政治学や国際関係論についてはそれほど深く
学びません。しかし、PDPの授業では、現代のような複雑化したさまざまな国際関係につい
て、例えばリベラリズムではどのように理解するのか、マルキシズムではどうか、あるいはリ
アリズムではどう理解するのか、最先端の学びが展開されます。
こうした知識が基盤にあって、経済学を使いこなせる人と、そうした知識のまったくない人とでは、グローバル市場のダイナミズムを理解していく上で大きな差が出てくるでしょう。
―PDPの授業は、武蔵大学のカリキュラムにも大きな相乗効果をもたらします。
ロンドン大学のプログラムを4年間実施することで、英語バージョンによるカリキュラムが
本学に蓄積されます。それは、日本語によるカリキュラムも世界標準のレベルやスタイルに合
わせて変わっていく大きな契機となります。そうした変化は、通常の日本語の授業を受けてい
る学生にも良い影響があると期待しています。
―PDPがスタートして1年が経ちますが、受験生や在学生の反応はいかがでしょうか?
1期生の中には、このプログラムのことを知らずに入学してきた学生もいましたが、いまで
はPDPに対する認知度も格段に高まり、学生のレベルも飛躍
的に上がってきています。
2年次から提供されるIPのレベルはとても高いですが、万が一、途中で挫折することがあっても、英語圏の提携校へ協定留学する道も開かれています。逆に、極めて優秀な成績を収めれば、3年次に本国のロンドン大学へ留学できる可能性もあります。
世界の名門校、ロンドン大学の学位を取得できることは国際人として大きなアドバンテージ
となりますし、全世界の学生と同じプログラムを学ぶということは、大変刺激的な知的体験と
なるでしょう。
【人文学部、社会学部でも新しいコースを開設】
経済学部のPDPに続き、2017年度からは人文学部で「グローバル・スタディーズコース」(GSC)が、社会学部で「グローバル・データサイエンスコース」(GDS)がそれぞれスタート。グローバル市民育成に向けた先導的な取り組みが全学部で始動します。
―人文学部のGSCでは、全学科の学生が所属できる「英語プログラム」と、所属学科別の
「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国・朝鮮語」プログラムが用意されます。
「英語プログラム」を例にとると、1年次はネイティブの教員による英語の基礎的な講義
を受講し、海外での語学研修で、英語で考えながら学修できる力を徹底的に鍛えます。そし
て、「グローバル・リレーションズ(国際関係)」「グローバル文学」「グローバル日本学」のテーマ群から多様な授業を履修し、世界で生起しているさまざまな問題を考察したり、グローバル・コミュニケーションに不可欠な教養である世界の文化や日本文化を学びます。
さらに、3年次には1年あるいは6カ月間の海外留学を推奨し、英語で行う本学の授業と海外留学による単位認定だけで卒業単位を満たすことも可能です。こうした専門的なプログラムに
よって、高度な語学力と文化を理解する力を養います。
―英語以外の言語プログラムについてお教えください。
ヨーロッパ文化学科には「ドイツ語プログラム」「フランス語プログラム」を、日本・東アジア文化学科には「中国語プログラム」「韓国・朝鮮語プログラム」を用意しています。入学後、まずは専攻言語を集中的に勉強し、1年次の春休みに各言語圏へ約1カ月の短期留学を行います。その後、徹底した少人数指導で本格的な留学と外国語検定試験のスコアアップを支援します。
―社会学部のGDSでは英語を駆使してさまざまな情報やビッグデータを扱い、グローバル
な視点で意思決定につなげることのできる人材を育成します。
世界の課題解決から企業の意思決定まで、ビッグデータの重要性に注目が集まっています。
理系にはこれらに対応した学科やコースがありますが、文系学部にはほとんどありません。社
会学的な視点からデータサイエンスを学べる点に大きな魅力があると思います。
また、2・3年次には協定留学や国際ボランティア、データサイエンス系の職業体験などを行い、学んだことを実社会で活かすための力を身につけます。
これまで説明したPDP、GSCもそうですが、社会学部のGDSも将来的には他学部に広
げ、大学全体で学べる仕組みを構築していきたいと考えています。武蔵大学がさらに大きく変
貌する契機としたいですね。
【新方式入試「全学部統一グローバル型」がスタート】
―2017年度入試から英語外部試験を利用した新方式「全学部統一グローバル型」が導入
されます。グローバル化に向けた大学改革が加速しています。
武蔵大学の前身は、1922年創立の旧制武蔵高等学校です。第一次世界大戦が終わり、ヴェルサイユ体制のもとで世界が大きく変わっていく中、創立者の根津嘉一郎は国際的なリーダーを育てる必要があると説きました。
その際に掲げた建学の三理想が「東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物」「世界に雄飛するにたえる人物」「自ら調べ自ら考える力ある人物」です。
そして、日本がグローバル化への大きな流れに直面しているいま、もう一度その原点に立ち帰る必要があります。旧制高等学校のリベラルアーツ教育に根ざした、深い教養とグローバル
に闘える行動力を持つ人物を育てていくことが本学の使命であるわけですから、大学全体でそ
の方向に向けて舵を切っているところです。
―経済学部のPDPをはじめとする新しいプログラムや「全学部統一グローバル型」の導入も、武蔵大学がいま、グローバル市民を目指す意欲ある学生を求めているのだというメッセージなのですね。
「グローバル」という言葉の意味自体が、この10年で劇的に変わってきていますし、2020年の東京オリンピックでさらに大きく転換するでしょう。こうした中、単に英語ができて世界で活躍できるビジネスマン、というのではなく、幅広い視点を持って世界を見渡すことのできる「グローバル市民」を輩出していきたいと考えています。
―本日はありがとうございました。
【お問い合わせ先】
武蔵大学
入試課
TEL.03-5984-3715