全員に目が行き届く徹底した少人数教育 独自の「ホーム制」で主体性を育み 教員採用試験で高水準の合格率を実現-学習院大学

全員に目が行き届く徹底した少人数教育 独自の「ホーム制」で主体性を育み 教員採用試験で高水準の合格率を実現-学習院大学

学習院大学文学部教育学科は、2013年4月に開設され、2022年4月には10期生を迎え入れる。1学年50名の学生は、「ホーム制」と呼ばれる独自の少人数体制のもとで主体性を育み、教員採用試験では高い合格実績を残している。入試では、2021年から大学入学共通テスト利用入試で5教科型を導入し、学習院大学ならではの「プラス入試」も利用可能。幅広い受験生にチャンスが広がる同学科の魅力について、学科主任の佐藤陽治教授と入試担当の嶋田由美教授にお話を聞いた。

学内外での実践的な学びで高い合格率を実現

嶋田由美教授
佐藤陽治教授

―まずは、これまでの実績からお聞かせください。

佐藤 小学校の教員採用試験には、例年6割以上の学生が挑戦し、そのうちほとんどの学生が、卒業後すぐに教員としてのキャリアをスタートさせています。教員として社会に出る割合は高く、教員養成という本学科の主たる目的は達成できている自負があります。着任後に離職したという報告も現在のところ受けていませんので、定着率も極めて高いと考えています。

嶋田 教員採用試験では、例年1次試験で不合格になるのは1名いるかいないかですので、受験した学生はほぼ全員が1次試験には合格しています。学科で重視しているのは、主に2次試験対策です。卒業直後の本採用が叶わなかったケースでも、講師登録をして現場経験を積み、あらためて教員採用試験に挑戦して本採用を勝ち取る卒業生が大半です。また、大学院に進学、より高度な教育理論を学んだ後に教員になるケースもあります。なお、学生の出身地はほとんどが関東圏で、着任先も地元の公立校が中心です。中には私学を志望して着任するケースもあります。

―高い合格率を生み出す要因はどこにあるのでしょうか。

嶋田 開設から5年目にカリキュラムをリニューアルし、1・2年次から実践力を培う演習科目を充実させているほか、アクティブラーニング型の授業スタイルに注力していることが挙げられます。1学年の定員が50人ですので、決して大所帯ではありませんが、その分、入学式直後から学生同士が親密な関係性を築くことができますし、インタラクティブな授業スタイルと相まって、学生同士が自然と刺激し合い、高め合える学習環境ができています。

佐藤 また、講義型の理論系科目でも、最大25人程度の少人数クラスで行っていますので、教員との距離が近いというメリットもあります。さらに、教科別のクラスでも積極的に学生による模擬授業を行うなど、実践を想定した授業が充実している点も特徴です。加えて、4年次の教育実習より前の段階で、ボランティア活動として教育現場を訪れ、実践経験を積むこともできます。

嶋田 学生が4年次に訪れる教育実習先からは、3年次の段階で内諾をもらうのですが、その後、3年次のうちから下準備や勉強のために、現地を訪問させてもらっているのです。実習先としても、学生にはあらかじめ学校の雰囲気を知っておいてほしいという考えがありますので、積極的に3年次の学生を受け入れてくれます。学生は、実際の学校教員の指導を間近で見て学ぶことができますし、そこでの気づきをもとに、学内での模擬授業や指導案の作成に活かし、指導力を磨いていけるという好循環が生まれています。

―学外でのプログラムが充実しているのですね。

佐藤 子どもたちの豊かな自然体験を実現させるために、まずは学生自身が自然を肌で感じることを重視して、2泊3日の「自然体験実習」なども実施しています。学生はさまざまな自然体験活動をしながら、イベントの企画力や運営ノウハウも身につけていきます。また、学科行事である「スポーツフェスタ」や「ウィンターフェスタ」といったイベントの企画や、模擬遠足の企画、小学校見学なども行っており、学生は多彩なプログラムを楽しみながら学びを深めている印象です。

嶋田 大学の目の前にある豊島区立目白小学校との地域連携プログラムもそのひとつです。学生は、直接子どもたちと接する経験を重ねながら、子どもの性格や場面に応じた声掛けなどのスキルを磨いていきます。一方で、子どもたちへの対応力を身につけるだけではなく、円滑な保護者対応スキルも習得します。そのために重視しているのは、学生が保護者役と教員役に分かれて行うロールプレイです。着任後のスムーズなコミュニケーションにつながりますし、さまざまな場面を想定した対策を進めておくことで、教員採用試験での面接にも活かされています。

教員間での情報共有が学生の主体的な学びを後押し

―学生に特に意識させている心構えなどはありますか。

佐藤 学科として重視しているのは、主体的な学習態度です。のびのびと主体的に学ぶ姿勢は学生一人ひとりに浸透しており、学科の強みになっています。その起点となっているのは、学科開設以来のスタイルである少人数の「ホーム制」です。

嶋田 入学式の後、学生は6人から7人のグループに分かれ、これを全部で8つの「ホーム」と呼んでいます。そして、例年ゴールデンウィーク後には、「基礎演習」の一環として、1泊2日で山梨県内での「オリエンテーション合宿」を実施。それぞれのホーム内で大学生活でのビジョンや将来の夢を語り合ったり、「4年後の私へ」という手紙を書いたりします。また、後のアクティブラーニングにつながるグループワークの時間も設けており、学生一人ひとりが役割を持ちながら、主体的に取り組む意識を育んでいます。

―仲間の存在を身近に感じられる環境なのですね。

嶋田 ホーム内での語らいグループワークでは、学生同士がお互いに尊重し合い、チームワークで助け合う光景が見られます。その中で日々意見を交わして学び合いながら、自分の考えを深めていける環境なのです。また、グループワークなどでは、周囲の学生を“待って”いてあげられる寛容な学生が多い印象を受けます。

佐藤 子どもが好きで、子どもの未来のために教員になろうと入学してくる学生ならではの特徴ですね。保護者や受験生にとっての安心感にもつながりますので、オープンキャンパスや各種説明会などでもアピールしているポイントです。

嶋田 この“待つ”という姿勢は“受け身”とは違います。教員を目指す以上、将来は一人で教室を任され、子どもたちを預かる立場になることは学生自身が認識できていますので、学生の自立心は強いと感じています。だからこそ、グループワークにも活発に積極的に取り組んでいます。外部講師をお招きする「教職実践演習」という授業では、課題を与えられた学生たちがすぐにグループ内で話し合いを始める様子が、講師に高く評価されています。また、他学科の3年生が教育学科の1年次の授業に参加した際に、「1年生のチームワークが凄い」と驚かれるほどです。

―先生方では何か工夫をされているのでしょうか。

佐藤 学生自身が主体的に物事を考え、主体的にアクションを起こせるよう、教員間では情報共有を大切にしています。学生の状況について、多くの教員が共通認識を持てていることで、学生の背中を押す適切なサポートにつなげられていると思います。また、上級生や卒業生とのつながりも活かしながら、学科全体が一体感をもって学生をバックアップしていくのが本学科の強みです。例えば、毎年秋に開催している「教育学研究会」では、卒業生と教員と在学生が交流し、学生は卒業生が実社会で感じていることを直接聞くことができます。ゼミでも卒業生との交流は盛んですので、有益な情報収集の場になっています。

嶋田 近年は特別支援学級での指導を志す学生も少なくないこともあり、実際に特別支援学校で業務に当たる卒業生を呼んで話を聞く機会も増えています。もちろん普通学級であっても、さまざまな支援を必要とする子どもがいますので、現場の生の声を聞ける体験は貴重ですね。

幅広いフィールドで役立つ汎用スキルを習得できる

―教員以外の進路についてもお聞かせください。

嶋田 そもそも、在学中に卒業後の進路について迷いが生じたり、方針転換したりすることも想定しており、制度面では教員免許の取得を卒業要件にしていません。実際、企業への就職や公務員を目指す学生もいますので、そういった学生は教員免許に関連する授業の時間を就職活動対策や公務員試験対策に使うなど、教職員としても臨機応変に対応しています。

佐藤 結果的に教員にならなかった学生でも、子どもへの接し方がとても上手だった学生もいましたし、印象深い卒業生は多いですね。一期生から個性豊かな学生が多く、今でもすぐに名前が出てくる卒業生ばかりです。

嶋田 大手のIT企業に就職した後、「やはり教員になりたい」と、あらためて教員採用試験を目指した卒業生もいました。在学中の実習をはじめ、子どもたちと触れ合った中で感じたやりがいや達成感が忘れられず、教育学科に入ったときの初心に立ち返ったのだといいます。再チャレンジは在職しながらだったこともあり、メールでの指導やアドバイスが中心でしたが、見事に教員採用試験に合格して、現在は教員として活躍しています。同様のケースはいくつかあります。新卒での就職先には申し訳ない気持ちもありますが、教員養成の立場からすると、とてもうれしいことです。

佐藤 一度企業に就職し、客観的に教育業界を見つめたことで、直接人を育てる教職のやりがいを再認識できたのだと思います。教育実習では、最終日に子どもたちが手づくりでお別れ会を開いてくれるケースもあり、学生は涙が出るほどうれしいのだといいます。その感動が教員を目指すより強固なモチベーションになったり、就職後にあらためて教員を目指したりするきっかけになるのだと思います。

嶋田 ただ、企業に就職しても、教育学科での学びが活かされるシーンは多岐にわたります。ホームでのグループワークで培った協調性や、指導案の作成で鍛えた企画力、模擬授業で磨かれたプレゼンテーション能力や資料作成スキルなどは、幅広いフィールドに活かせる能力として学生が習得してくれています。

文系科目だけでなく理系科目の学力も活かせる

―利用できる入試方式について教えてください。

嶋田 一般選抜では、「コア試験」「プラス試験」「大学入学共通テスト利用型」の3つの方式を利用できますので、試験日選択の幅が広がりますし、複数回チャレンジしていただくことも可能です。2022年の入試では、2月9日(水)に「コア試験」があり、「外国語」「国語」と「地歴・公民・数学(選択)」の合計3科目で受験できます。また、2月7日(月)に理学部のコア試験科目と同じ「外国語」「数学」「理科(選択)」の3科目を受験することで、本学科の選抜も行われるのが「プラス試験」です。これだけでもチャンスは2回あるということです。

―高校時代に幅広く学んでおくと有利になりますね。

嶋田 小学校には理科や算数の授業もありますので、教員免許を取得するためには理数系の基本的な知識も不可欠になります。だからこそ2021年の入試からは、大学入学共通テストでの5教科型を導入しました。高校で多教科の基礎学力をコツコツと高めておくことが、入試はもちろんのこと、教員となってからの確かな礎になるからです。国公立大学との併願もしやすいので、多くの受験生にチャレンジしてほしいですね。

佐藤 2017年度入学者からは公募制推薦も導入していますので、ぜひ高校時代のさまざまな成果をアピールしてほしいと思っています。

―最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

佐藤 入学後の勉強でも、社会に出てからの業務でも、大切なのは主体性と協調性です。本学科には、これらを伸ばす仕掛けが豊富ですので、ぜひ安心して飛び込んできてください。

嶋田 あとはぜひ夢を持って、夢を語れる人に入学してほしいと思います。学校法人として学習院初等科を持つメリットもありますし、学生はみな人柄もよく、安心して勉強に打ち込めます。オンラインでの個別相談なども実施しますので、ぜひチェックしてみてください。みなさんとお会いできることを楽しみにしています。

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