【この10年で伸びた高校ランキング】「成長力」には理由がある! 名門校は一日にしてならず

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大学合格実績は各校の教育力の成果だ。同じ偏差値の学校なら、実績が高い学校を選ぶのは当然のことだと考える人も多いだろう。では3年後、6年後に大学合格実績が伸びている学校はどこか。この10年で伸びた学校のデータから、期待できる学校を探った。


制度改革を背景に名門公立高が復活

 大学合格実績を伸ばしている学校は、当然のことだが毎年顔ぶれが変わる。その中でも今年は異変が起きた。中高一貫校の独壇場だった難関大合格実績で、名門公立高の復活が顕著になってきたのだ。
「東大現役合格者が伸びた学校ベスト10」(表1)を見てほしい。トップは日比谷で、10年前と比べて29人も現役合格者が増えた。現浪合わせた東大合格者も2008年の13人から48人に増えて、今年の東大合格者数ランキングで9位に入った。公立高が東大合格者数トップ10に入るのは、1993年の県立千葉の9位以来、25年ぶり。日比谷のトップ10入りは、さらにさかのぼって70年に99人合格で5位に入って以来、48年ぶりだ。
 同表では10位に湘南が入っている。現役合格者が10年前の5人から17人に伸びた。
公立高躍進については、制度改革が大きい。例えば東京では進学指導重点校を指定し、学区もなくして全都から志望校を選べるようにした。その結果、優秀な生徒が日比谷に集中したというわけだ。神奈川も同じで、横浜翠嵐と湘南に集中する傾向がある。
 公立高復活は「京大現役合格者が伸びた学校ベスト10」(表2)でも見られる。1位の北野は32人増で、今年は61人になった。現浪合わせた合格者数は84人になり、1984年以来、34年ぶりに京大合格者ランキングのトップに立った。地元の塾関係者は「大阪は進学指導特色校として10校を指定し、全府から応募できる文理学科を設置しました。当初は10校に分散する傾向が見られましたが、今はキタの受験生は北野、ミナミの受験生は天王寺に集中し、両校とも伸びています」と言う。表3の「東大+京大合格者が伸びた学校ベスト20」でもトップは日比谷、2位が北野だ。
 「早大+慶大合格者が伸びた学校ベスト20」(表4)でも、トップは公立高で、湘南が112人増えた。2位の日比谷も103人で3桁の伸びだ。以下、本郷、昭和学院秀英、早稲田と私立中高一貫校が続く。
 さらに視野を広げ、この10年で難関大の合格者数を伸ばした全国の学校をリストアップした。まずは東大、京大など旧七帝大に東京工業大と一橋大を加えた「難関9国立大」を対象にしたランキングだ。トップは湘南で75人増、2位が北野の66人増、3位が横浜翠嵐の64人増だ。名門公立高が上位を独占している。
 私立トップは5位の大阪桐蔭。春の選抜高校野球で連覇を果たしたが、スポーツだけでなく、大学合格実績も高い文武両道の学校だ。この10年で生徒の難関国立大進学への意識が高まり、教員のスキルもアップしているという。教育の特徴は低学年から志望校について高い目標を掲げさせ、生徒が自信を持てる得意科目を伸ばすこと。今年実績を伸ばしたことで、今後は東大、京大、国公立大医学部合わせて100人合格が目標になりそうだ。

志願者増・合格者減の厳しい入試の中で、実績を伸ばした学校

 この表からは、早慶をはじめとする「難関15私立大」の合格者数が伸びた学校を地域別にランキングした。今年の私立大入試は文系人気を背景に志願者が7%も増えた上、文部科学省の入学定員厳格化を受けて合格者を絞る大学が激増した。志願者が増えて合格者が減った結果、厳しい入試となったが、この逆風の中でも実績を伸ばした学校は多い。
 関東・甲信越のトップは457人増の大宮開成。2位が東京都市大付、3位広尾学園、4位山手学院と続く。
 北陸・近畿のトップは市立西宮、2位が桃山学院、3位が大手前。近畿地方の学校が強く、公立高が上位を占めるのが特徴だ。表にはないが、北陸トップは72位の金沢泉丘だった。
 他地域を見ると、北海道・東北のトップは聖ウルスラ英智、2位は札幌日大、3位は仙台二華。
 東海トップは名古屋南で204人増。2位と3位に名古屋、愛知と中高一貫校が続いた。
 中国・四国は1位倉敷青陵、2位福山、3位岡山白陵の順。四国トップは富岡東だ。
 九州・沖縄トップは筑陽学園、2位は城南、3位は九州産大付九州だ。いずれも地元の西南学院大の伸びが大きい。
 10年前と比べて伸びている学校は今後の伸びも大いに期待できる。どのような学校が伸びているのか、データを活用して生徒を伸ばす有効な指導のヒントとしてほしい。

国立大

私立大 北陸・近畿

私立大 北海道・東北

私立大 東海

私立大 中国・四国

私立大 九州・沖縄