【東洋大学】対等な対話でこれからの「地球社会」を導いていく

【東洋大学】対等な対話でこれからの「地球社会」を導いていく

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東洋大学は2017年4月に国際学部グローバル・イノベーション学科を新設する。日本国内にわずか37校のスーパーグローバル大学創成支援採択校としての東洋大学を牽引していくフラッグシップになる学科だ。新設への意気込みや教育内容、求める人物像について、グローバル・イノベーション学科就任予定の教員達が語り合った。
(写真左から花田真吾氏、サム田淵氏、今村肇氏、横江公美氏、佐藤節也氏、迦部留チャールズ氏)


【各分野の最前線を実体験。グローバル人材に必要な素養を体得する】

― まずは学科新設の狙いと、教育内容についてお話を聞かせてください。

今村 東洋大学のスーパーグローバル大学構想では、従来の縦型思考でなく水平思考でのコミュニケーションを重視し、エリートから中核人材まで幅広く育成することで、中間層のグローバル化を重点的に進めます。グローバル・イノベーション学科は、本学のグローバル化を引っ張る中核的な位置づけであり、先進的な教育に力を入れます。

「旅する哲学者」と呼ばれ、三度世界を巡った井上円了は、哲学を応用して社会を実践的に変えていくグローバル人材の育成を目指しました。それを現代にアップデートしたのが本学科の教育であり、「対話と哲学」を一つのキーワードとしています。

迦部留 井上円了は教室と社会の壁を壊し、社会の中で教育を実践しました。社会を変革、つまりイノベーションを起こすことを目的として、学生と一緒に学びの場を作っていくことを目指しています。

今村 イノベーションを起こせる人は、世界のどこでも対話の中心になり、交渉の核となれる人材です。本学科では「Travel(旅して),Play(演じて), Dialogue(対話する)」をスローガンとして掲げました。海外へ旅をして、いろいろなところへ出ていく。Playは演じる、パフォーマンスすることを意味します。対話では異なる背景を持つさまざまな人とコミュニケーションを取るので、相手をよく理解する必要があります。これらを一つのセットとした実践的な教育を行います。

横江 「Travel, Play, Dialogue」などの海外で生き残るためのスキルは本学で勉強することで身につけることができるように、教員が一生懸命サポートします。アカデミックな知見は、その基礎になります。

世界で話をするときは共通項がなくてはいけません。英語というツールはもちろん、自分の国に関する知識も非常に大切です。相手が何を知りたいのかを会話から読み取る能力も必要とされます。グローバル社会で必須の知識や能力について、各教員が専門分野を軸として徹底的に伝えていきます。

佐藤 今年は英国のEU離脱(Brexit)、アメリカ大統領選挙のトランプ氏勝利など、欧米で反グローバル化が広がっています。我々が気を付けなくてはいけないのは、グローバリゼーションに取り残された層の反乱を見て、短絡的にグローバリゼーションは悪だと決めつけることです。これまでの歪んで不完全・不公平なグローバリゼーションのあり方を是正すべきであって、グローバリゼーションの価値そのものを全否定すべきではありません。そもそも、文化・行政・地理・経済など、どの面をとってもグローバリゼーションはイメージほど進んでおらず、埋められるべきギャップが多く残されているのが実態です。そうしたギャップを縮め、橋を架けることができる人材こそがグローバル人材として求められているのではないでしょうか。

今村 組織や文化の壁を越えたコミュニケーションが求められる中、専門的な知識を与えつつ、自らも知識を吸収して成長していく「ナレッジ・エンジェルズ」が一つの理想です。個性豊かな専門家として、自由に世界を飛び回り活躍する人を育てたいと思います。

田渕 本学科では教員のネットワークを活かして、実業界や研究の現場における仕事を間近で見ることができます。学生にはそうした体験から、世界で仕事をするとはどういうことなのかを4年間を通じて感じ取ってほしいです。

花田 各国際分野での経験を持つ教員から少人数教育を受けられるのは本学科の大きな強みです。入学時から、座学だけでなく、新たな価値観や世界に触れる実体験を重視した教育を積み重ねることで、理論的に考察する力と実践できる力の双方を高め、将来的に国際社会で活躍できるようになってほしいと思います。

【大切なのはやる気と好奇心留学生が3割の環境で養う実践的英語力と積極性】

―具体的な学科の特長は。

花田 数ある国際系学部の中で本学科の強みは、学生を大きく伸ばす環境が整っている点です。将来、国際社会で活躍できる人材を育成するために、数多くの仕組みを用意しています。

少人数教育や全員必須の1年間の海外留学が一例です。1学年に日本人70人、留学生30人の小さなボリュームで密度の高い双方向教育を行います。留学は原則として正規の交換留学プログラムで行います。

学内で留学生と自由に対話できることも特長です。協定先から日本にやってくる交換留学生を合わせると日本人と留学生の数がほぼ同数になるので、留学生と密接に関わる教育が実現します。こうした教育を支えるために専用の学習ラボを新設しました。正課外でも日本人と留学生が一緒に勉強できるこの学習ラボでは、課題解決型学習プログラムや留学準備プログラム、留学生と日本人のピアサポートなど数多くのプログラムを用意して、濃密な学習環境を整えています。

―授業はすべて英語で、1年間の留学が必須です。どのような資質を持った受験生に来てほしいですか。

迦部留 ハイレベルな英語スキルをはじめ、すべての能力がそろった人よりも、熱心で意欲のある、行動して何か足跡を残したいという人を募集しています。一般的に日本の高校生は英語で表現する機会が少ないですが、相手の意見を聞いて、自分の意見を伝えたいという気持ちがあるといいですね。3割を占める外国人との英語でのコミュニケーションを通じて自信をつけてほしいと思います。

横江 私も英語で苦労しました。今も、それほど得意ではありませんが、それだけに、コツはわかります。そういった苦手意識のある学生にコミュニケーションのコツを伝えることが私の役割だと思っています。特に好奇心がある人や、オタク度が高い、物事を突き詰めていける人に来てほしいですね。知りたいという気持ちがあれば読めるようになるし、伝えたくもなるものです。言葉はポジティブかネガティブかが分かれば、相手がこちらをもっと知りたいと思えば、それほどうまくなくてもどうにかなるものです。引き出しの中が重要なんです。

―それでも少し敷居が高く感じる受験生もいるのではないでしょうか。

今村 オープンキャンパスなどでは、英語が得意である必要はなく、英語が好きであれば十分だと伝えています。得意なだけだと途中で挫折することもありますが、好きな人はいつまでもしっかり伸びていきます。「英語を使ってみよう」という好奇心があれば間違いなくうまくいきます。英語は実際に使ってみることが上達の一番の近道です。毎日英語が使える環境を用意し、入学後は責任を持って徹底的に鍛えるので心配はいりません。

花田 すべての授業が英語で行われるので、学生は英語での学習環境でやり抜く必要があります。ただ、私たち教員の経験からも、人は置かれた状況でなんとか生き残ろうとするものだと思っています。やらなければならない環境に置かれてこそ、人はその環境に適応しようとします。新たな環境に自ら飛び込み、今の自分より少し背伸びしながらストレッチしたい意欲がある受験生を求めています。

佐藤 英語教育では、アカデミックな英語よりも使える英語に重点を置きます。例えば「NO」と言うにもさまざまなバリエーションがあり、実際の交渉の場面などでは相手を怒らせない言い方が大切になります。授業ではこうした実用的な表現を学ぶことができます。

田渕 日本人がシャイだと言われるのは自分を人前で表現することに慣れていないからです。英語力は場数さえ踏めば解決する問題です。少しブロークンでも自信を持って話すことが大切です。リーダーやイノベーターになれるかという点では、英語力は問題ではありません。学生には実際のプロジェクトから自ら学び、教員を驚かすようなクリエイティブなアイデアをどんどん出してほしいですね。

迦部留 これからは英語力だけでなく、自分に必要な情報を効率的にピックアップしてそれを形にしたり、実際に運用したりする力も必要です。さまざまな力を持つ人にチャンスを与えるためにも、英語力の高さではなく何よりも意欲を大切にしているのです。

【異文化の中での試行錯誤がイノベーションを生むリーダーへと成長を促す】

―留学についても詳しく教えてください。

花田 教員同士のネットワークを活用した協定校との留学なので信頼性は高いです。顔が見える相手と直接交渉しているので安心して送り出すことができます。バラエティに富んだ留学先を用意しているので、学生それぞれの興味や関心、言語レベルに応じて、地域と専門分野を重視した留学先の選択が可能です。

今村 新しい環境を自分の力で切り拓き、違いを楽しみ、試行錯誤することを必ず経験してほしい。そうした気質はイノベーションにもつながります。留学を必須とするのはそうした思いがあるからです。

田渕 日本には「他人の飯を食う」「可愛い子には旅をさせろ」などの言葉があります。獅子が子を千尋の谷へ落とす気持ちで、学生を海外に送り出す必要もあると思います。

海外でリーダーになるには秀でた何かを持たなければいけません。自分にとってその秀でたものは何なのか、気がつくようにすることが大切です。自分はこれができると理解できれば、日本以外の社会でも活躍することができます。

―「グローバル・システム領域」「国際ビジネス領域」「国際コラボレーション領域」という3つの専門領域では、それぞれどのような学びを用意していますか。

佐藤 「グローバル・システム領域」はグローバル社会の問題、ダイバーシティ、グローバル化における日本の立ち位置など、全体を俯瞰するような共通領域を扱います。「国際ビジネス領域」は営利企業で海外と連携しながら仕事をしたいと考える学生を想定し、ツールとして役に立つ会計学や経済学などの実学的な科目を多く配置しています。ビジネスではない面で国際社会に貢献したいと考える学生には「国際コラボレーション領域」が合っています。国際機関やNPO・NGO、ジャーナリズムに進む上での最低限の基礎知識として、理解すべき科目を揃えています。

ただ、各領域に厳密な線引きをするのは難しいため、学生の好みに応じて授業を取れるような制度にしています。

今村 経済の面だけでなく人間の尊厳などにしっかりと配慮できるグローバル人材育成のため、バランスの取れたカリキュラムとすることを意識しています。

―社会科学だけでなく人文学の要素も入っているということですね。

今村 そうですね、とても大事にしています。国によって背景となる部分が全く違いますから、相手を理解するのは並大抵のことではありません。相手の文化に対して丁寧なフォローを行うためには、リベラルアーツを学び、幅広い分野に数多い引き出しを持っている必要があります。

【国際企業、NGO、起業…既成概念にとらわれないオーダーメイドのキャリア】

―進路については、先ほど挙がった以外にどのような選択肢が考えられますか。

今村 就職以外では起業も選択肢の一つです。学内にオフィスを用意するなどインキュベーション(アイデアの育成)を支援する計画もあります。

佐藤 学科名の由来となる部分ですから、実際の起業家を呼んでケーススタディを行うなど、起業家精神を学ぶための科目はカリキュラムに数多く取り入れています。

この学科に入学を希望する海外からの留学生の中には「将来は必ず起業する」と決めている学生もいます。そうした人をサポートするのは、本人だけではなく学科全体の学びにもなると考えています。

今村 違うのがあたりまえで面白いという多様な人材との交流から刺激を受けて伸びてもらうという、日本の大学ではあまり見られない新しい試みです。

キャリアについては、個性豊かな学生それぞれに合う進路をオーダーメイドで考えることが大切です。既成概念にとらわれず対話の中で教員と一緒に模索していきます。

横江 本学科での学びは、日本語という限られた市場から、世界の市場も手に入れられるようになると考えています。その意味ではどの企業にとっても必要となる人材を育てていくので、就職先は日本を含めたすべての企業・団体が対象になるのではないでしょうか。

―最後に、受験生にこれだけは伝えたいということがあれば教えてください。

佐藤 本学科の教員には「これはやってはいけない」「これがルールだから」などと言う人はいませんし、大学側は学生のやる気を全面的にバックアップするスタンスです。学生にとっても冒険ができる環境であることをはじめに伝えたいですね。

今村 本学科は東洋大学のグローバル化を引っ張る中核的な存在で、インフラやネットワーク面でのサポートも多くあります。変革のトップランナーを担う気概のある、やる気と好奇心を持った学生と一緒に学んでいけることを楽しみにしています。

 

【インフォメーション】

イノベーション研究で世界最先端を目指す東洋大学

グローバル・イノベーション学研究センター(センター長 竹中平蔵教授)

グローバル・イノベーション学の創造と確立を目的とする研究センター。 イノベーションの理論や手法、活動を担う人財育成に関する研究で世界を リードしている。また、より強固なグローバル社会の基盤構築のため、諸外国との「インテレクチュアル・エクスチェンジ(知的交流)」のシステム構築にも注力している。

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