【東洋大学】知識を連携させて変化の激しい時代を乗り越える

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東洋大学は2017年4月、赤羽台の新キャンパスに情報連携学部を新設し、協働を通して新しい価値を生み出すことで、これからの変化に対応できる人材を育成する。情報連携学部等設
置推進委員会委員長の坂村健氏に話を聞いた。


―2017年4月に情報連携学部が新設されます。どのようなコンセプトの学部になるので
しょうか。

情報連携学部に対して英語でINIAD(Information Networking for Innovation and
Design)〝イニアド〞という名前をつけました。情報を核としていろいろな分野のモノを
つなげるマッシュアップにより、イノベーションを起こそうという思いが込められています。

現代人が持つ知識量は昔に比べてはるかに多く、コンピューターの登場でこの傾向は加速度
的に強まっています。技術の進歩は理系、文系問わず学問の再構築を促しているだけでなく、
日常生活にも大きな影響を及ぼしています。今の社会は複雑化し、多くの人が協力しないと問
題解決ができない状況です。

情報を冠する学部ですが、プログラマーなど、コンピューターの専門家をつくることだけに
注目しているのではありません。本学部は「文・芸・理」を融合した新学問領域を創造する、これまでにない新しい学部です。今やコンピューターの基礎知識とコミュニケーション力は、何を行うにしても必要なツールです。こうしたツールを基盤とし、コンピューターサイエンスやビジネス、デザインなどの専門知識を積み重ねることで、チームの協働の中で新しい価値を生み出せる人材を育てます。

【学生と教員が互いに刺激しあう新しい教育とは?】

―今までの大学教育と大きく異なる点を教えてください。

既存の情報系学部と同じような学部を作るのでは意味がありません。全く新しい教育研究の
ための教員を集め、学生にも新天地を切り開いていく意欲のある人を求めています。なぜなら、この学部の肝は、学生と教員の区別なく、全員がチームとして連携して学びあうことにあるからです。

みんなが一緒にキャンパスを作っていくので、学生は朝から晩まで大学で勉強することにな
ります。卒業後にどんな道を選んでも活躍できる力が身につく学びを提供しますが、楽に大学
を卒業したいと考える人にはお勧めしません(笑)。

多様な人が集まる学部にしたいので、教員は実業界出身者と研究者の比率を半々にします
し、学生についても、外国人比率、男女比率、社会経験のある人の比率など、将来的には全て
が半々になるような構成を目指します。社会に出た後も大学で学び直すことが当たり前になる
ように、再教育機関としての役割を担うことも重視しています。社会経験のある仲間との議論を通して、若い人にも刺激を受けてほしいと思っています。

―プログラミング教育に力を入れた特徴のあるカリキュラムや、最先端のキャンパスを用意
すると聞いています。

プログラミングとコミュニケーションは学びの基礎となる必須ツールなので、1年次の必修
科目として徹底的に磨きをかけます。自分の考えを整理して話す、人の考えを聞くなどの基本
を重視し、海外の人との協力を視野に、英語にも力を入れます。また、予習⇒授業⇒復習のサイクルを確立するために、反転授業を取り入れます。

2年次以降は、エンジニアリング、デザイン、ビジネス、シビルシステムの各コースに分か
れ、専門的な内容を学びます。そうした知識をもとにした3年次のチーム実習では、コースを
横断したチームで、協力してプロジェクトに取り組むことを試します。4年次には研究室に所
属して専門を深め、自分の立ち位置を明確にしていきます。履修はかなりフレキシブルで、興
味があれば所属コース以外の授業も受けることができます。

赤羽台(東京都北区)の新キャンパスは、学部の教育哲学を内部構造に反映しました。照明や空調など、建物自体がIoT(モノのインターネット)化された最先端のキャンパスで、コミュニケーション教育のための少人数教室が多いことが特徴です。メディアセンターや展示スペースを数多く設け、頻繁に展覧会や発表を行うことでアイデアを刺激しあう環境になっています。

キャンパス内で完結してイノベーションを起こすために、試作品製作に対応する、3D プリンターなどを備えたINIAD メーカーズハブというスペースを設けます。学生がプログラミングに参加し、IoT ビルであるキャンパスを使いやすく成長させるプロジェクトも予定しています。

【理想に向かって努力を続ける力を身につける】

―入試や就職についてはどうでしょうか。

これからはたとえ時間がかかったとしても、着実に何かを実行できる人が成功するでしょう。そうしたやる気のある受験生に入学してほしいと考えており、多様な入試を用意しています。体験授業を見て課題に取り組み、結果をプレゼンする、Web体験授業型入試を公募制推薦入試に導入するなど、既存の入試だけでなく特色ある独自入試を目指しています。一般入試でも知識を問うだけでなく、勉強したことを自分のものにできているのかを測る試験も用意しています。

就職先は、新しい取り組みを行う企業や、世界企業への就職を勧めます。スタートアップ(起業)も一つの選択肢です。シェアオフィス提供やスポンサー紹介などの形で起業を支援するビジネスインキュベーション制度で、学生の起業をバックアップしていきます。

―既存のシステムの枠を超えて新しいことにチャレンジし、これからの社会を支えていく人
材の輩出が期待されますね。

本学部で本気で勉強することで、自らの理想を実現できる確率は確実に高まります。社会に
出て最終的に問われるのは個人の資質です。学生には4年間の学びを通して、人生の目標を見
つけてほしいと思っています。在学中に自分なりの設計図を描き、卒業後は目標に向けて頑張
っていくような学生を育てていきたいですね。