スーパーグローバル大学はお得!?実力に比べて受験生の認知度は低い

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hatena

グローバル系の学部やプログラムで学生を育てるだけでは、これからの日本の国際化を担う人材が足りない。ボーダレス化が進む現状では、大学全体でのグローバル人材養成が不可欠だ。そこで文部科学省は、「スーパーグローバル大学創生支援」により、所属する学生をまるごとグローバル人材として、世界の大学に伍していく「タイプA」(トップ型)と、自大学はもちろん、他大学の国際化の後押しをする「タイプB」(グローバル化牽引型)という、2種類のスーパーグローバル大学(SGU)を採択した。

タイプAには、東大、京大といった旧帝大クラスに私立の早慶を加えた13校。タイプBには、千葉大や金沢大、熊本大など国公立大12校と、国際基督教大、創価大、東洋大、関西学院大、立命館アジア太平洋大(APU)など、私立大12校が採択された。タイプAが年額5億円、タイプBは定員規模により2億円もしくは3億円という予算規模から、文科省の本気度がうかがえる。

グローバル人材になる近道といえるSGUだが、受験生はどのように捉えているのだろうか。出願状況から見てみよう。大学院大学である国際大を除く私立の採択大学の一般入試志願者数を、採択前の14年春と今春で比較すると、増加しているのは13校中7校で、SGUだから受けようという受験生はそれほど多くないことが分かる。この間、東洋大が約2万3000人増、立命館大が約8000人増、法政大が約7000人増と大幅に志願者が増えた大学もあるが、入試やキャンパス移転などの改革効果もあり、SGU効果と断言しにくい。SGUの指定により、入試の難化を懸念する受験生が多くなると、志願者が減るという見方もあったが、最難関の早慶の志願者が増えていることから、SGU取得がマイナスに働くこともないようだ。

では、グローバル・リーダー育成を目指すSGUと親和性の高い、スーパーグローバルハイスクール(SGH)との関係はどうだろうか。SGHとしての歴史が最も長い、14年に指定された学校から、私立のSGUへの合格状況を見てみよう(下の表参照)。

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ここでは、SGH認定前の13年と、今春の合格者数を比較した。最も合格者が増えたのは公文国際学園。早慶上智や明治大、法政大などの首都圏の大学以外にも、立命館大やAPUといった遠隔地の合格者も増えている。2位の順天は東洋大と芝浦工業大、創価大などの合格者が増えた。

大学に注目すると、創価大は京都のトップ校である堀川や北海道の登別明日中教など、地方の合格者が増えている。前出の志願者が大幅に増えている東洋大も、県立長野や三島北など、他地域からの合格者が増えた。APUは連携関係にある大分のトップ校の大分上野丘のほか、福井の高志からの合格者も増えている。

地元志向が強まる中、遠隔地の大学の合格者が増えているのは、SGUの影響が考えられる。ただ、表中の一般入試の合格状況を見る限り、合格者が大幅に増えた学校は少ない。SGUの取り組みの成果が見えてくるのはこれからなので、受験生の認知度が高くないのは仕方がないが、これではもったいない。

というのも、SGUは年度ごとのフォーローアップ活動や中間評価次第では、事業の中止も含めた計画の見直しがある。つまり、必ず成果を出さなければならないプロジェクトであり、採択大学は、申請時の構想を実現するはずだからだ。

各大学のグローバル化構想は、大学や日本学術振興会のホームページなどで確認できる。実力のわりに認知度が低い、お得感があるSGUの個別の取り組みについて、調べてみてはいかがだろうか。