【白百合女子大学】〝面倒見の良さ〟に独自の視点。

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shirayuriall魅力ある進学先が多い女子大だが男女別学の体験がないと敷居が高いのもまた事実。女子大の良さとは?白百合女子大学企画調査室長の落合英樹さんに〝女子大まわり〞の事情を伺ってきました。


―女子大の学生といえば、いわゆる「お嬢様」というイメージをもつ人が多いと思います。実際のところはいかがですか?

学生がみんな「ごきげんよう」と挨拶しているようなイメージですか(笑)。実際はお嬢様だけが集まっているわけじゃないですし、いろんな学生がいますよ。それでも本学の学生が「お嬢様」という言葉で語られることが多いのは、彼女たちが社会からの期待を感じ取り、ふさわしい行動を自然と心がけるようになるからだと思います。

―女子大の一番の良さはどんなところでしょう?

よく言われるのは、女子大の学生は、サークル活動やゼミなどでも性差なく各々が折衝ごとなどタフな作業を含めて自分の役割を果たす必要があるので、自立心やリーダーシップが身につくという話。それから、良きロールモデルとして先輩・卒業生がたくさんいるということですが、私は単純に「女性が安心して学業やキャリア形成を目指せる環境・サポートがある」ということなのだと思います。

―ちなみに白百合が他の女子大と違う、と思うことはありますか?

学生のサポートについてタテ割りの発想がなく、むしろ重層的に仕組みが作られているのが特長です。迷いや悩み、つまずきといったものは、簡単に一対一の対応関係で解決しないものが多いのが現実でしょう。〝面倒見の良さ〞には、適切なサポートのタイミングや、その学生に応じた関わり方というものが本来含まれているはずです。

白百合では、学生・教員・職員が集まる空間(フロア)を各学科単位でつくり、卒業生の職員を常駐させています。専門スタッフや教員アドバイザーに相談するのはハードルが高いと思う学生にとっては、一見、非効率にみえる重なりのある仕組みが大きな意味を持っています。

そうしたサポートの成果は、就職というキャリア獲得の部分にもあらわれてきます。学生が本音で自分を語り出すまでにはじっくり関わる時間と、何より信頼感が必要です。さきほどの「安心」というキーワードにくしくもつながって来ましたが、そうした関係づくり、環境づくりをどの大学よりも丁寧に行ってきたという自負はあります。

―この自然あふれる落ち着いた環境も魅力的ですよね。

孟子の母が教育環境のために三度転居したことに由来する「孟母三遷の教え」という言葉があるくらい、教育にとって環境は大切です。街の喧騒と無縁の緑豊かな環境は、正門から校舎までのアプローチが長く感じられるかもしれません。今時、門を入ったらすぐに高いビルがあってそのままエレベーターに乗れる大学も多くなりましたし。本学の教育にとっては自然の中を歩いて気持ちをリセットして、学問に向かう心の準備ができたり、自分の内面をきちんと見つめたりと、キャンパスは知性・感性を育むために欠かせない装置です。そんな幾つかの要因も作用してか白百合の学生は落ち着きがあり、思いやりがあると評価をいただくことが多い。周りを見て、一呼吸置いて反応できる人が多いからでしょう。

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「秘密の花園の仕掛けは、そう簡単には真似できませんよ(笑)」 と落合さん

―実学志向の高まりから、社会で役立つ知識や能力を養成する大学が注目されています。

キャリア教育が盛んになり、将来のことを考える機会が増えたのはいいことです。ただ、そのほとんどが〝どんな職業に就きたいか〞〝そのためにはどんな学問を修めるべきか〞に留まっているのは残念ですね。本来のキャリア教育では、仕事に対する向き合い方を丁寧に教えるべきではないかと考えます。

一見すると「ビジネス」と「文学」って無縁のように思えるでしょう?でも文学の持つ性質とビジネスは、かけ離れたものではないんです。ビッグデータ活用がもてはやされていますが、現実の社会では、データ分析どおりに事が進まないことも多くなっています。誤算の原因は、結果が同じでもその背景にあるコンテクスト(文脈)に違いがあるから。このコンテクストを読み解くには、文学で培った〝ストーリーを読み取る力〞が活きてきます。これは変化のスピードが早まり、市場が細分化する中で意外に盲点になっている重要な能力です。文学部で展開しているグローバルビジネスプログラムでは専門教育での学びと実社会で必要となる力を結びつけ、このことを体験的に理解できるような学びの場を用意しています。

―今後、白百合女子大学ではどのように教育を行い、どのような人材育成を目指しますか?

将来は多くの仕事をAIやロボットが担うようになるかもしれませんが、予測不可能な心の動きや感性を扱う分野では、引き続き「人」の力が不可欠です。

本学ではこうした流れや学生の学びに対するニーズが多様化していることを踏まえ、今年の4月に人間総合学部を新設し、2学部6学科へと再編を行いました。新学部のキーワードは「人を支え、人を理解する」。特に心理・保育・教育などの分野では、白百合の学生の特長でもある人に寄り添える思いやりの心や感性を活かして、貢献していくつもりです。