就職率が高いのに志願者は減少傾向!入りやすくなった女子大の魅力に注目!


josidainohito  近年、女子の総合大学志向が進み、志願者が減少傾向の女子大。100年以上の歴史を誇る名門校も例外ではない。だが、近年、丁寧な教育や就職の強さが見直され、入学しやすいのに出口が保証されているため、お得との声も高まる。そんな女子大の現状を見ていこう。


 女子受験生の4年制大学への進学熱が高まり、女子の受験者総数が増える一方で、女子大の志願者が伸び悩んでいる。

 要因は女子受験生のニーズの多様化にあり、2008年秋に勃発したリーマン・ショックによる就職難が、女子大離れを加速させた。

 就職に有利だと、資格が取得できる医療系や、比較的就職が堅調とされる理工系学部をもつ大学に受験生が流れた。いわゆるリケジョの増加により、そうした学部・学科が少ない女子大の志願者が相対的に減少したという構図だ。

 志願者減により受験倍率は下がり、津田塾大、東京女子大、日本女子大といった女子大御三家もその例外ではなかった。

 2016年の倍率(受験者数÷合格者数)は、女子大御三家ともに2倍台である。

 昨今の受験生は総じて安全志向が強く、難関大学への挑戦を避け、ムリをしなくても入れる大学を選ぶ傾向が顕著だが、女子大御三家もこの傾向とは無関係ではいられず、受験生からの敬遠傾向が見られる。

 加えて、津田塾大と東京女子大には女子生徒たちに人気がある生活科学系の学部がなく、その分、受験生の減少幅が大きくなった影響も見逃せない。

 御三家の入試倍率が2倍台―。かつてに比べ、明らかに入学しやすくなり、昔を知る人には隔世の感もあるだろう。津田塾大、東京女子大、日本女子大は、頑張れば手が届く大学なのだ。

 下に〈主な女子大の一般入試志願者数〉を掲載しているが、16年入試でも多くの女子大で志願者が減少している。

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 私立女子大全体の志願者数は昨年を0・3%下回り、表中の大学で志願者が前年を上回ったのは日本女子大、武庫川女子大、昭和女子大、東京家政大、京都女子大など11校にとどまった。

 女子大の低倍率化は今に始まったことではない。今春の女子大全体の倍率は2010年と変わらず、入りやすい状況が続いている。女子受験生が増加しているにも関わらず、女子大の志願者が増えないという構図が浮き彫りになった。

 一般的な大学と比較して、女子大は就職率が高いことが知られており、実就職率〈就職者数÷(卒業者数―大学院進学者数)×100で算出〉の数値は上昇している。

 昨春、大学通信が実施した就職状況アンケートによると、回答があった全571大学の平均就職率84・4%に対し、女子大はそれを上回る87%を記録した。

 就職環境が悪化していた2010年の同調査では、466大学の集計で全体が74・4%、女子大は75・4%となっていたが、数値を見ると、女子大の伸びのほうが大きいことがわかる。

 志望校選びの際、受験生や保護者、高校の進路指導の先生方は、こうした事実を理解しておく必要があろう。

 女子大の高い就職力は、教育力の反映といえる。女子大の教育の特色は面倒見のよさにある。もともとコンパクトな大学が多く、学部・学科も比較的小規模だ。家族的雰囲気も相まって、教職員との距離も近く、一人ひとりに目が行き届きやすい。

 それにより就職相談もきめ細かくなり、学校全体が支援することで好結果につながっている。

 就職力の秘訣をこう明かす。「たとえ卒業式直前でも、場合によっては卒業後になっても、最後の一人まで、全力で就職支援を行っています」

 こうした声は各女子大に共通するもので、丁寧なサポートが、就職率の高さを支えている。

 ちなみに、大学通信が進学校の進路指導教諭に「小規模だが評価できる大学」を聞いたところ、アンケートで女子大のトップは津田塾大となり、以下、奈良女子大、お茶の水女子大、女子栄養大、東京女子大、ノートルダム清心女子大、清泉女子大が続いた。

 入試の倍率が低くて入学しやすいのに、出口の就職率は高い。女子大の潜在能力の高さには、もっと注目していいだろう。さらに入試の倍率と就職率の関係を見ていけば、その観は強まるばかりだ。

 卒業生が500人を超える女子大の実就職率を見ると、ノートルダム清心女子大や昭和女子大、女子栄養大、日本女子大、東京女子大など9校で、就職率が90%を超えている。

 2016年入試の倍率は、この9大学の半数以上が1~2倍台だった。この入試と就職の良い意味でのアンバランスさは、もっと高く評価されていいだろう。

 単に就職率が高いだけでなく、有名企業への就職といった面でも女子大は優位性を発揮する。

 下の表を見てほしい。

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 有名企業400社の実就職率をランキングにしたものだが、トップの学習院女子大は30%を超え、東京女子大、聖心女子大、日本女子大、津田塾大、お茶の水女子大が3割に迫っている。

この有名企業への就職率をMARCHの各大学と比べると、優位性がより鮮明になる。

 立教大=28・1%、青山学院大=27・3%、明治大=24・1%、中央大=22%、法政大=20・8%だが、学習院女子大、東京女子大、聖心女子大、日本女子大、津田塾大は、MARCHと同等か上回っている。

 難関私立のMARCHの受験倍率は4~6倍台だから、2倍台の女子大のほうが、はるかにお得といえるだろう。

 有名企業400社の実就職率では、大企業が集まる東京の有利さもあり、首都圏で白百合女子大やフェリス女学院大も20%台に乗せている。また、ランキングには定員規模が小さな大学が多い中、卒業生が1000人以上の女子大では、共立女子大と昭和女子大が15%以上の就職率となっている。

 関西では神戸女学院大が21・7%で、同志社女子大、京都女子大、奈良女子大も10%を超える健闘を見せた。

 リーマン・ショックの後遺症から脱し、大学生の就職環境が好転するとともに、伝統的に有名企業に強い女子大が真価を発揮し始めた。

 なかでも銀行が採用人数を拡大したことが追い風となり、全体を底上げしている。

 有名企業400社の実就職率でトップだった学習院女子大は、ことにメガバンクに強く、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行に卒業生の12・9%が就職を決めている。

 メガバンク3行に強いのは、学習院女子大以外にも白百合女子大8・3%、聖心女子大6・5%、神戸女学院大10・3%があり、いずれも早慶やMARCHよりも高い割合だ。

 これらの女子大からの就職者は、総合職ではなく、準総合職(一般職)の比率が高いと思われるが、それを差し引いても、メガバンクという超難関に就職できる点において、メリットの大きい大学といえるだろう。

 教育力の高さや学生の面倒見のよさから就職に強く、その一方で受験倍率が低くて入学しやすい―。

 こうした女子大の魅力に再注目し、進路選択に当たられてはいかがだろうか。

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