近大が3年連続で人気NO.1!「2016年入試」徹底検証!志願者が伸びた大学はここだ!!

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top どんな大学に、どのくらいの数の志願者が集まっているか。もちろん教育の質と志願者数は比例しないが、大学の勢いを示すバロメーターの一つにはなるだろう。
志願者が伸びた大学、減少した大学。その背景を検証する。


 下の〈2016年大学志願状況〉を見てほしい。

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 国立大が前年より減少し、公立大と私立大が増えている。東大が後期試験を廃止したことも要因の一つだが、国立大離れは5年連続となり、背後には難易度が高い大学を避ける安全志向がある。

 なお、公立大の上昇に関しては、福知山公立大、山口東京理科大が公立化され、数字を押し上げた部分も見逃せない。

 私立大の増加は安全志向が働いたことに加え、受験をしやすくした工夫も理由に挙げられる。ネット出願や受験料の割引など受験生の負担を減らし、出願のハードルを下げた結果だ。

 下の二つの表を見てほしい。

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 これは、学部系統別の志願者の増減に関するものだが、国公立大では医学部、歯学部、薬学部など資格系の志願者が減り、私立大では経済、経営、商学系に志願者が集まった。

 就職環境の好転を受けてのもので、理系の勢いが沈静化し、文系人気が高まる「文高理低」傾向が全体から見て取れる。

 文系学部が多い私立大はその分、志願者増に結びつき、前年より4ポイント以上増えた。

 〈大学志願者数ランキングベスト10〉も作成した。

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 まずは国公立大の動向から分析していこう。

 今春のセンター試験の志願者数は、58万3768人となり、前年度よりも4636人増えた。

 とはいえ増加分の内、4201人は女子である。女子の旺盛な4大進学熱が上昇に貢献した。女子の占有率は、0・4ポイントアップし、44・3%になった。

 センター試験の志願者増にも関わらず、今春の国公立大の志願者は48万916人で、ほぼ前年並みだった。国立大の減少を公立大の増加で埋めた格好だ。

 トップの千葉大は14年ぶりに1位になった。国際教養学部の新設が主因だが、同大では比較的入学がしやすい園芸への志願者が大幅に増えた影響も大きい。さらに他学部でも志願者が増加している。

 ランキングを見て気になるのは、前年比74・9%の大幅減となった東大である。

 前述したように、今春から後期試験を廃止したことが影響したが、前期のみの比較でも、166人減少している。

 代々木ゼミナール教育総合研究所主幹研究員、坂口幸世氏はこうコメントする。

 「文Ⅰ、文Ⅱ、理Ⅱと、3科類で第1段階選抜なしは前代未聞。志願者減は掲示板前での合格発表をやめ、胴上げシーンが全国に流れなくなった影響もあるでしょう。大学入試の象徴といえる光景が消え、東大にシンパシーを感じる受験生が減ったのもかもしれません」

 駿台予備学校進学情報センター長、石原賢一氏も東大の求心力低下を指摘したうえで、次のように分析を加えた。

「東大に入学すれば人生のパスポートがもらえる時代ではなくなりました。一般企業への就職なら、早稲田も慶應も東大も変わらない。そう考える受験生が多くいます。東大にこだわる必要はないとの思いが、レベルを下げて他大学を受験する安全志向につながっています」

 上の国公立大ベスト10の表では、神戸大、大阪府立大、横浜国立大も志願者を減らしている。

 一方、中期日程がある高崎経済大は、安全志向ゆえに、逆に志願者が伸びて9位にランクインしている。

 私立大では、志願者10万人超の大学が5校になった。

 昨年の近畿大、明治大、早稲田大に日本大と法政大が加わったが、5校が10万人を超えるの
はここ20年で初めてのことである。

 この現象を招いたのも安全志向。石原氏はこう語る。

「国立大の文系学部のセンター試験は、基礎とはいえ、理科が2科目必要です。科目の負担増は、有名私立大の志願者増の追い風になりました」

 トップは近畿大で3年連続だ。河合塾教育情報部長の富沢弘和氏が、躍進の理由を話す。

「近大マグロ効果などによりブランド力が高まり、全国から志願者を集めるネームバリューを獲得したことが、連続日本一の要因だと思われます」

 近畿大は国際学部を新設し、それも志願者増につながった。

 早稲田大は3位にランクインしたが、昨年まで8年連続で志願者を減らしていた。だが今年は4545人増加している。河合塾の富沢氏が説明する。

「志願者減が続いても、常に10万人以上の志願者をキープしており、今春は東大の後期試験廃止もあり、それが後押しをして志願者が増えました」

 4位となった日本大は、1999年以来の10万人超えだ。スポーツ科と危機管理の2学部を、都心に近い三軒茶屋キャンパスに開設した点が評価された。

 5位の法政大は、初の10万人超えとなった。志願者が大幅に増加した理由を同大入学センター長、菊池克仁氏が解説する。

「学部新設や入試方式を大きく変更していませんが、延べではなく実志願者が増加し、地方の受験生が多くなっているのは、法政大を第1志望と考える受験生が増えたからでしょう」

 中央大は、志願者が減り続けた反動や、「文高理低」傾向を受け、志願者増に転じた。新学部設置や法学部の後楽園キャンパス移転などが予定され、今後の出願状況に注目が集まる。

 MARCHで唯一志願者を減らし、ベスト10に入らなかったのは11位の立教大。昨年の志願者増の反動とも考えられ、MARCHのなかでは難関とあって、安全志向から敬遠された。

 関関同立の最上位は6位の立命館大だった。一時期、志願者が減少していたが、総合心理学部の新設効果もあって、2004年以来の10万人超えが見えてきた。関西で立命館大に次ぐのが8位の関西大。若干、志願者を減らしたが、ほぼ前年並みの志願者数となった。

 下の表は、私立大の志願者の増加に関するランキングで、人数の「前年差」と、伸びた比率の
「前年比」で構成している。

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 前年差で1位、前年比で2位になった千葉工業大は、理系離れが進んだ今春入試にあって、
前年の1・5倍増の志願者を集めた。工学部を3学部に改組し、一日に何学科を受けても定額の出願料にするなど、受験料負担を軽減する仕組みが好感された。

 前年比でトップの学習院大も、1・5倍の志願者増を達成した。国際社会科学部の新設と、ネット出願の導入が大きい。

 大谷大、広島修道大、獨協大ほか、志願者を伸ばした多くの私立大に共通するのが、受験生が出願しやすい入学試験への改革である。ネット出願を採用するところも増え、地方都市でも受験できる方式の導入も進む。

 ところで、文部科学省は大学に定員の厳格化を求めている。定員管理を超え、入学させている現状を是正していこうというものだ。
 
 これまで、大都市の定員8000人以上の大規模校では、定員の1・2倍までの入学が認められていたが、段階的に引き下げ、2019年には1・0倍にする方針。これに違反すると大学にペナルティが科せられる。

 引き下げは、今春の入学試験からスタートした。定員管理の厳格化は合格者を絞ることに直結し、実際、多くの有名私立大で合格者が減少した。一方、志願者は増加傾向なので、16年の入学試験は例年になく、受験生に逆風が吹く厳しいものとなった。

 17年入試は定員管理の厳格化がさらに進む。志願者増加分以上に難化する大学もありそうなので注意が必要だ。